Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

ドラッカー;真摯さとは

oyajisculler2011-05-08

この2週間、10回連続で「もしドラ」のアニメがNHKで放映された。 もしドラとは、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海著)という長ったらしいタイトルの略称である。

おやじは小説系の書物は殆ど読まないので、もしドラの事は殆ど興味が無かったが、偶々、母校ボート部OB会の、おやじがメンバーである委員会の先輩から、「もしドラ」の番組が参考になりそうだからと、お奨め頂き、10回全部を通しで見た。まあ、内容はアニメであり、視聴者受けを狙った物語であったが、一つ印象に残ったのは、チームマネージメントには「真摯さ」が必要不可欠であるという点。

そして番組の終わりに5分間程度の「もしドラのおまけ」なる付録番組が放映されていた。こちらは現在社会で活躍する方々(社会人)で、ドラッカーの著作を読んで仕事に役立てているという方々のお話。もしドラ本体より、おまけの方が興味深い内容だった。

その中で最終回のおまけは、もしドラの著者:岩崎夏海氏のお話。マネージメントに必要不可欠な「真摯さ」について、熱く語っていたのが印象的だった。ネットで検索したところ、このおまけ放送のビデオを掲載するサイトがあったので、ここに紹介したい。(画面の上に流れるテロップは番組とは関係ない)
http://himado.in/48246

上記動画がいつまで公開されるのか分からぬ故、このおまけで岩崎氏が引用しているドラッカーの言葉は以下の通り:
「最近は、愛想を良くすること、人を助けること、人づきあいを良くすることが、マネージャー(上司)の資質として重視されている。そのようなことで十分なはずがない。 
事実、うまくいっている組織には、必ず一人は、手をとって助けもせず、人づきあいもよくないボスがいる。この種のボスは、とっつきにくく気難しく、わがままなくせに、しばしば誰よりも多くの人を育てる。好かれている者よりも尊敬を集める。(一流の仕事を要求し、自らにも要求する。基準を高く定め、それを守ることを期待する。)何が正しいかだけを考え、誰が正しいかを考えない。真摯さよりも知的な能力を評価したりはしない。
このような素質を欠く者は、いかに愛想がよく、助けになり、人づきがいがよかろうと、またいかに有能であって聡明であろうと危険である。そのような者は、マネジャーとしても、紳士としても失格である。
マネジャーにできなければならないことは、そのほとんどが教わらなくとも学ぶことができる。しかし、学ぶことができない資質、後天的に獲得することのできない資質、始めから身につけていなければならない資質が一つだけある。
才能ではない。真摯さである。」

組織における真摯さの必要性:

上記の岩崎氏の引用以外にも、組織運営に於ける真摯さの必要性について、ドラッカーの本に書かれた内容があるので、ここで紹介したい。尚、おやじは未だドラッカーの本を読んでいないので、以下に紹介する内容は、ネットに掲載されたドラッカーファンのサイトから引用したもの。

  1. 真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。それはまず、人事に関する決定において象徴的に表れる。真摯さは、とってつけるわけにはいかない。すでに身につけていなければならない。ごまかしがきかない。ともに働く者、特に部下に対しては、真摯であるかどうかは二、三週間でわかる。無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たりうる。だが、真摯さの欠如は許さない。決して許さない。彼らはそのような者をマネジャーに選ぶことを許さない。
  2. 高い目標を掲げ、その実現を求める。誰がどう思うかなど気にしない。何が正しいかを考える。頭のよさより、真摯さを重視する。この真摯さなる資質に欠ける者は、いかに有能で人付き合いがよくとも、組織にとって危険な存在であり、上司として、紳士として不適格である。真摯さに欠ける者が跋扈するとき、組織は死への道をたどる。 

我が母校ボート部のクラブマネージメントには、この真摯さが欠けている様に見える。

以上