Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

第14回 Head of the ARA開催

今年も、HOAを開催することが出来た。

参加頂いたクルー及びボランティアスタッフ、そして大会関係者の皆様に感謝。

私は前日のコースブイ設置作業、及び当日ブイ位置最終調整作業、そして選手(M1X(50+))としてレースに参加し、そして優勝することが出来た。

初参加のスカラーによる(1)レース中の他艇との接触・転覆、(2)ゴール前接戦による護岸への乗り上げの2件のトラブルがあったが、それ以外は大きなトラブルもなく、レースを完了できた。

雨天、低温という生憎の天候だった。
しかし、雨が降り続けた結果、荒川が少し増水して流れが少し速まり、折からの北北西の順風もあり、皆さん良いタイムが出せた様だ。私も22'07"という好タイムが出せて満足。

以下、レースに向けた準備も含めて二日間の様子を記す。

レース前日:

朝5時に起きて、マイカーで戸田へ。7時過ぎに戸田に到着。
日ボの長畑強化委員長も既に来ていたので、予定した8時より早く、ブイ設置作業の準備を開始。
河川敷ゲートを上手く開ける事が出来ず、ブイとアンカーのセットを搭載した車両を河川敷に乗り入れることが出来ないトラブルがあった。
車両での運搬を諦め、日ボのモーターボート2艇にブイ・アンカーセットを載せ替え、人力で河川敷に運搬した。
結局、予定通りの8時半からモーターボート2艇で、コースブイの設置作業を行った。
9時頃から雨が降り出した。最初は小ぶりだったが、徐々に雨脚が強まり、作業を終えた10時頃には本降りとなり、すっかり体が冷えてしまった。

写真は、8時半頃の岸蹴り場の様子:

干潮時刻で水位が0.4mAP(@笹目)まで下がり、川底が干上がっていた。
地方から来たクルーが沢山出艇して、荒川は賑わっていた。
だた、朝から小雨が降り、気温10℃以下で非常に寒いコンディションだった。
北西の風が2~3mと、さほど強いわけではないが、上げ潮と風が喧嘩して水面は少しチャプチャプしていた。

昼食後は、設置したブイの設置状況を確認するため、本降りの雨の中をシングルスカルを荒川に出し、HOAコースのトレースを行った。
3か所ほど、ブイが流れて位置がずれていた。ただ、レース前日の午後であり、雨が降って気温が8度未満という悪条件なので、午後に荒川で乗艇練習する選手はいないと判断し、ブイ位置調整はレース当日の午前中に行うこととした。

レース当日の準備

8時半からの代表者会議で、レースルールの概要を参加チームの代表者に説明。

その後、9時半から一時間ほどかけて、コースブイの位置調整し、正規の位置に修正した。
この間、荒川は概ね下げ止まりの時間帯だったが、前日から降り続く本降りの雨の影響で荒川は少し水位が上昇し、いつもより流れが速くなっていた。
風は北北西3~4mと少し強めだったが、川の流れと風向きが同じ方向なので風速の割には水面は比較的穏やかだった。
レースの時間帯は上げ潮だが、川が増水している影響の方が強いので、順流になると予想した。また、風も順風なのでよいタイムが出と予測できた。

レースの様子:

ブイ位置調整を終えた後、艇庫に戻り、早めの昼食を摂った。
艇を担いで岸蹴り場へ行くのは12時15分を予定していたので、2時間ほど時間があった。
昼食後に、レース記録集計のための準備作業を行った。
具体的には棄権したクルーを予め、タイム集計表から除外した。
低温と本降りの雨という悪条件の為か、男女共にシングルスカル一般の部では多くに棄権者が出た。
 ゼッケンとバウナンバープレート。
さて、予定通り12時15分に艇庫を出て荒川へ。
岸蹴り場は、下流側の石段のみを使用していたこともあり、岸蹴り待ちで階段の最上段まで順番待ちの行列が出来ていた。
 この写真は70歳以上M1Xに参加した加藤さんが撮影したもの。12時20分頃はもっと待ち行列が長かった。

行列に加わるのは嫌なので、誰も使っていない上流側の石段へ行き、予定通りの時刻に岸を蹴った。
上流側の石段を使っていなかったのは、水際を指揮するスタッフ要員が不足していたことと、ゴール計時用のテント(雨対策)を設置していたため、上流石段へのアクセスが難しくなっていたため。
私は、ゴールの合間を見て計測要員の前を通過させて頂いた。

スタート地点への回漕は、いつもの乗艇練習と同じW.Upメニューで行った。
荒川は川幅が広いので、特に渋滞することなくスタート地点に向かう事ができた。

棄権クルーが多いので発艇が繰り上がると予想した。
しかし、スタート地点に到着すると、警戒艇スタッフから当初の発艇スカジュールより5分~6分遅れているとのアナウンスあり。
後で聞いたのだが、レース中に秋が瀬鉄橋上流の護岸工事の警戒艇(埼玉県南部漁協の漁船)が下ってきてレースコースに入ってきたため、一旦、レースの発艇を中断し、曳波が治まるまで待ったとのこと。発艇時刻が繰り上がるどころか、遅れていた。

漕ぎやめると体が冷えてしまうので、大曲より上流の水域に上がりW.Upを継続した。
当初の予定より5分程度遅れているということだったので、私の発艇予定時刻であった13時12分+5分=13時17分だろうと予測してアップを継続。

大曲より700m程漕ぎあがると、上流の水域から他の艇が全く見えなくなった。どうも遅れが挽回している模様。
よく考えれば、M1X(一般)の部は10名以上棄権があるので、この分で3分ほど発艇が繰り上がる。
という事で、少し慌ててスタート地点に向かった。
何とか間に合い、丁度一つ前のゼッケン192番の選手の呼び込みが行われていた。
正にジャストインタイムで、発艇擦る事ができた。GPS SpeedCaochのメモリーを見ると、私の発艇は13時14分だった。=当初より2分遅れまで挽回していた。

さて、スタート。
体は温まっていたので、ストレスなく巡航に入った。
今回、50歳以上の強いライバル:パルテ会のOlivier選手が棄権していたので、いつものコーストレースをやっている時のレート21でも優勝できる。しかし、順風・順流という好条件のチャンスなので、確り漕いでタイムを狙った。
ただ、序盤にレートを上げすぎると漕ぎが乱れて艇速が落ちる。そこで序盤はSR24から25の少し低めのレートで漕ぐ事にした。
落ち着いて漕げたので、コース取りも練習通りに上手く行った。
彩湖水門前のカーブを過ぎた辺りで、先行艇の曳波や泡がチラチラ見えてきた。艇差を詰めて15mほどの近距離に前を行く大学生スカラーがチラリと見えた。
艇差が詰まったので抜かれるクルーは岸側に避けることになっているが、どうもレースルールを理解していない模様。或いは、笹目橋までの水路は狭いので逃げ場がなかったのかもしれない。
そのままの位置関係で笹目橋を通過。
笹目を通過した後は、東京側(板橋川)の方へ避けてくれるだろうと期待したが、何と彼は川のセンター側に避け始めた。
笹目水位塔前の赤ブイに近づいてカーブを切った方が距離を短縮できるので、私は右側航行を遵守しつつ、ブイ寄りのコースを進んでいた。それより更にイン側を通っているという事は、彼は赤ブイより逆サイドを通ってペナルティーを食らう可能性があった。実際、補助ブイ(白)にリガーを当てて”ザザ!”とい音を立てていた。
抜くのに邪魔なので、後ろを振り返り”邪魔だ!退け!”とクレームした。
どうも相手もここで火が付いた様で、これ以降、艇差が詰まらなくなった。
赤ブイ通過以降は、1000m以上の長い直線航路となる。
私は直線コース取りの目標を熟知しているので、直線コースを邁進できるが、彼(富山国際大の選手)は荒川のコース取りには長けていないので、徐々に岸寄りのコースにシフトしていった。
リバーステーションを過ぎた辺りで、一旦、彼を抜いた。しかし、27km看板を過ぎた辺りから彼が飛ばし始めて、並漕状態へ。この辺りで彼はレートを上げた様で、私の前に出た。
航路取りが被っていて、彼の泡を掻くような位置関係が暫く続いた。
26㎞の看板(ゴールまで残り400m程度)を過ぎた当りで彼はスパートし、一旦、彼に水を明けられた。
しかし、高圧線(残り200m)をくぐった時に私は最短コースを取るべくS-sideに舵を切った。彼はそのまま東京側の岸方向へ進んだ。彼を抜くチャンスなので、私もスパート。差がグングン縮まった。
結局、彼と私は同時にゴールした。後でゴール計測記録を見たところ、彼と私のゴールは同着と記載されていた。

レース後はタイム集計の作業を行う必要があるので、早めに揚艇したい。
一方で岸蹴り場方向を見ると、ゴールしたシングルスカルが10艇以上数珠繋ぎになっていた。
そこで、誰も使っていない上流側の石段の方へ廻り着岸・揚艇。
ゴール計時スタッフに声を掛けて、計時の邪魔にならないタイミングで彼らの前を通って艇庫へ向かった。
横断歩道を渡って艇庫に戻る道もスカルを担いだ人で混雑していた。
ここを早歩きで艇庫に戻っていたが、不覚にも注意を怠り、自艇の舳先付近の船底を自治会の掲示板の小屋根にぶつけてしまった。
スキンに人差し指大の切り傷(穴)を作ってしまった。残念!

レースの方は上手くできていたのに、レース後に事故を起こしてしまった。(少々気分が凹む)
まあ、傷は浅いし、年内一杯はシングルスカルのレースは無いので、おって修理しようと思う。(当面は、アルミテープで穴を塞げば、乗艇は可能)

レース結果の集計:

艇庫に戻り、急ぎ着替えてレース記録の集計作業へ。今年も東大の学生に集計作業を依頼した。
集計は、以下の要領:
スタートとゴールでは、スプリットタイムをPCにダウンロードできる日ボのPC連動型のストップウォッチを使用。この記録がスタートとゴールのスタッフからメールで送られてくる。
このデータにはレースの艇のゼッケン番号は無い。
上記とは別にゼッケン番号とタイムを手書きしたA4の記録紙が届られる。
今回は雨の中でタイムとゼッケンを手書きするため、耐水コピー用紙を用いた。
東大の学生に依頼したのは、PC連動型ストップウォッチのエクセルデータにゼッケン番号を紐づけして打ち込むこと。
流れ作業に彼らが順応するまで、少々てこずっていたが、1時間ほどで作業完了。
ゼッケン番号とタイムを紐づけしたファイルを私に送ってもらい、私の方で予め準備していたタイム集計フォーム(ゼッケン番号・所属団体・クルー名・種目など)にスタートタイムをゴールタイムをコピペし、タイムを計算する。
この時に、レース中に沈した選手と、ゴール手前で岸に乗り上げた選手の2名がゴールしていないことが判明。大会スタッフに確認し、レース記録からこの2名を除外。
後は公式記録表として体裁を整え、1部印刷して誤記や間違いがない事を確認して、最終版を印刷。
大会関係者に公式記録ファイルをメール配信して作業完了。
概ね2時間の作業。

レース結果詳細はHOAのHPに掲載した。
http://sv82.wadax.ne.jp/~partezrowing-com/ARA/modules/news/article.php?storyid=63

表彰式:

16時半頃にレース結果を印刷したものを表彰式・懇親会の会場である三菱艇庫へ持参。

バタバタしていたので、表彰式の写真を殆ど撮らなかったが、手元にある写真を添付する。
 M8+(50歳以上)優勝の団塊号へ優勝賞品(チャンピオンTシャツ)を授与。

 M8+とW4X+でアベック優勝した立教大学の集合写真。ライトブルーのTシャツが今大会のチャンピオンTシャツです。

 チャンピオンTシャツとゼッケン。

レース結果の評価と2000mレースタイム換算

Head of the ARAの種目別トップタイムを静水換算してみた。
昨日は雨による増水で、荒川はレースの時間帯は(私の分析では)順流0.2m/s程度だった。
因みにレース時間帯の荒川の水温は12℃。(荒川の上流:南畑での水温)長く続いた雨と低い気温により水温が下がっていた。

換算のための条件は以下の通り:

1.HOAのレース距離を私のGPS SpeedCoachの計測距離:5243mとし、平均艇速を算出。
2.レース中の荒川の平均流速を0.2m/sとして、静水換算の艇速を算出。これをベースに静水換算のタイムを計算。
3.2000mレースの艇速、タイムを算出。2000mレース艇速=HOA静水換算艇速*(2000m/5243m)^(1/18)

計算結果は以下の通り。
各種目のトップタイムの静水2000mレース換算のタイムは、今年の公式レース記録と概ね合致する結果となった。
 男子スカラーのトップタイムと静水&2000m換算
 女子スカラーのトップタイムと静水&2000m換算

レース中の写真:

レース中の写真は、HOA HPに掲載予定。
また、日本ボート協会Facebookサイトに、広報委員会の宅島さんが撮影した写真が掲載されている。
これらの中から何枚か写真をダウンロードしたものを添付する。

 笹目通過後下流へ向かうスカルの列

 M1X(シニア)トップの荒川選手
 同上
 LM1X(シニア)トップの武田匡弘選手
 LM1X(U23)トップの柘植選手
 M1X(50+)トップの氏家選手
 同上
 M1X(60+)トップの鴨井選手
 同上
 M1X(70+)トップの加藤選手

 W1X(シニア)トップの米川選手
 同上
 LW1X(シニア)トップの大石選手
 同上
 W1X(U23)トップの米澤選手
 LW1X(U23)トップの角谷選手
 W1X(一般)トップの阿南選手

<レース中に転覆した選手の救助の様子>
今大会はU19の高校生の選考を始めて実施。高校生は荒川での乗艇が不慣れなので、笹目橋通過でトラブルを発生するリスクがあると考え、これまでより警戒艇を2艇追加して万全を期した。
偶々だが、笹目橋上流でシングルスカルの追い越しの際に接触・転覆事故が発生。写真の様な救助作業を行った。
 落水した選手の救助
 転覆した艇の曳航

以上