Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

#7シートの問題:

壮途号は昨日まで新人とトレーナーの混成クルーで乗艇していた。このままの状態であれば、以下に記すような問題は発生しなかった筈。経緯は以下の通り:

  1. 昨日まで使っていたシートは、シート脱落防止のガイドに不具合があり、艇を担いで運搬する際にシートが落ちてしまう問題があった。(恐らく、毎回、コックスが手に持って運搬していたのだろう)
  2. OBクルーと一緒に練習する機会でもあり、今朝の艇整備で、脱落しないシートと交換した。しかしながら、シートの滑りに問題が無いかどうかは確認しなかった。
  3. 南氏も乗艇前の陸上では、当該シートの滑りに問題がないかどいかまでチェックせず。
  4. 岸を蹴って漕ぎ始めたところ、当該シートは非常に滑りが悪く、とてもでは無いがマトモに漕げないと水上でクレームした。
  5. 南氏は100kg以上の巨漢であり、体重が重すぎて滑りが悪いのかも知れぬという仮説を立て、水上でシートチェンジ実施(南氏を5番へ、軽量の松垣君を5番へチェンジ)
  6. このシートチェンジの結果、南氏はシートの滑りに問題無しとのこと。松垣君は、滑りは悪いが何とか漕げそうな気配だった。

という事で、W.Upを再開し、乗艇を再開した。
最初の並漕を大曲から秋が瀬までVirtuと並べた。出だしこそ並んでいたが、200mも過ぎると、ズルズルと後れを取った。どうもこちらのクルー、新人諸君の有効レンジが短い模様。結局、秋が瀬までの間に3L程度離された。秋が瀬で折り返して大曲に向けて漕ぎだそうとしたところ、新人の松垣君「シートの滑りが悪くて漕ぎに支障が出るので、これ以上練習を継続したくない」とクレーム。これは困った。新人練習のための今日のイベントでもあり、相対的に影響が少ないと思われるバウペアを漕ぐOBのシートとこの整備不良シートを交換することとした。即ち、#2のシートと当該#7のシートを交換。(#Bのシートはレールゲージが狭く合わなかった)
この結果、#7の不具合は解消。#2の小路氏は体が大きいのでフィックス漕ぎの様な形で我慢して漕いで貰った。
ということで、当該整備不良について長々と書いたが、ボート競技は道具を使うスポーツであるという事。用具の整備が悪いとマトモニ漕げなくなってしまうスポーツである。揚艇後に壮途号の各シートをザッと見回したが、整備不良個所がいくつも見られた。
本艇はEmpacher製のエイトであり、シートやレールは純正品が使われていた筈だが、長年使用して消耗し、消耗品パーツを交換してゆくなかで、レールやコロなどを廉価版の中国製品に換装した模様。中国製の消耗品パーツは、イタリアのパーツメーカー:Martinoli社製品と概ね互換性があるが、Empacher製品との互換性は無い模様。即ち、Empacher製のベアリングシートを中国製レールに付けて使用すると種々不具合がある。
従い、もしコストセーブのために、廉価な中国製コロを使用し、且つ、中国製のレールを使うのであれば(1セットで2倍位の値段差あり)、シートのシャシー(ガイドはシャシーについている)も中国製のモノに換装する必要がある。
上記は、大学からボート競技を始めた並の選手では良く知らないことと思うが、とても重要な事である。
要するに、生半可な知識で廉価版パーツを使うと種々問題が発生するので、新人を教える指導者や、部内で艇整備を担当するものは良く勉強しなさいという事。