Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

規格艇配艇レースでSRDを搭載する場合に予想される問題点;

今回は個人所有艇に搭載したものであり、一度取り付け・調整をすれば、基本的にストレッチャーの取り付け・取り外しは行わない。これまで3回乗艇したが、強度面では従来型より確りしており、何ら問題点は無い。一方、今回の論点は、規格艇配艇レースでSRDを使用した場合に、問題があるかどうか。その点についてここに述べる。

  1. 配艇制限時間内のSRD搭載は困難か?:今回SRDを搭載したウィングリガー艇は、ストレッチャー上部のリガーブリッジ部が邪魔をして、ストレッチャー周りが狭く、SRDを取り付けるのが難しく、SRD取付けに習熟しているシマノ社の社員でも2時間程度を要した。規格艇はウィングリガー艇ではないので2時間も掛からないと思うが、相当事前に練習したとしても、ストレッチャー取り付けだけで15分は掛かると思われる。取り付け時間のリスクは競技者が自己責任で取るということであれば、問題とはならない。
  2. 構造問題その1(艇底のギヤレールの長さが足りない); SRDフレームの推奨取付角度は50度。これに対し従来型ストレッチャーのボート角は42度前後で取付けるよう設計されている。脚の長い漕手がSRDを目一杯スターン側に取付ける際に、艇底のギヤレールの長さが足りないという事が発生する。これに対処する為に、下側ギヤレールをスターン側に移動する必要があるが、規格艇配艇レースではこの種の改造は認められていない。従い、体格の大きな漕手は、自分の最適な位置にSRDを取り付け出来ない不具合が発生する。
  3. 構造問題その2(スタンスの設定を誤ると船底が損傷する可能性あり);SRDのフレームは左右のユニットが独立しているので、艇の幅が許せばスタンスを広く設定することが可能。しかし、SRDフレームや金具下部と船底との隙間を鉛筆1本分程度の隙間を取らないと、使用中のフレームの撓りにより船底にフレームや金具が当たって船底に傷が生じる場合がある。

SRD使用による人体への影響に関しては、これまで3回の乗艇では何ら悪影響は無かった。シマノ社に聞いたところでも、試作品使用開始から現在まで2年以上経つがが、人体への悪影響の事例は無いとのこと。