Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

レクレーション艇の母船型候補;

レクレーション艇の母船型候補として以下の2船型が挙げられる。

  1. ナックル艇;つい10数年前までは高校総体や国体の正式種目であったこともあり、国内のあらゆる水域にナックルフォアがある。堅牢性、安定性に優れているので、ボート初級者の導入艇として今でも使われている。言わば日本発のレクレーション艇。特徴は、以下の点:(1)和船の構造を取り入れ、船艇にナックルライン(造船用語ではチャインという)があり、安定性を確保しつつ、推進抵抗の低減を狙った高速艇の船型を採用している。(2)竜骨が船艇に突き出ている。竜骨は縦曲げ強度の向上の他、直進安定性と横揺れ防止のダンパー効果の両面に寄与している。(3)Bowの後ろに代漕者を載せるスペースや、COX席の後ろにコーチ席を設ける等、クルー5名+2名の最大7名が乗ることができる大きな少し大き目の船型になっている。艇が大きいことも原因ではあるが、昔の木造時に規格艇基準として設定された艇重量(新造時135kg。使用時に木材に水が浸み込むと約145kg)が原因して、ナックルは重いというイメージが定着している。現在は規格は外され、FRPの軽量構造が採用されているので、85kgという超軽量艇もある。最新型ナックル艇の試乗結果は8月13日のログに記載。
  2. 丸底ツーリング艇;竜骨が船底から突き出しているので、一見、日本のナックル艇に似ているが、ナックルラインはなく、丸い船底となっている。元々は木造の船型(細い板を鎧張り状に張り合わせた船型)から来たものだが、最近新造される艇はFRP構造になっている。欧州では主としてスカルリガーを装備してスカルオールで漕いでいる模様。前後にはカンバスを張らずに開口されており、ここに食べ物や飲み物を搭載して遠出し、漕ぎ進んだ先で上陸してピクニックを楽しんだりしている模様。勿論、初級者導入時のトレーニングボートとしても活用されている。欧州のローイングクラブでは20年以上前に建造された木造艇が大切に維持管理されて使用されている。ただし、木造艇は建造に手間がかかり値段が高いので、最近建造されるの艇は殆どがFRP構造の模様。日本でも桑野造船、デルタ造船、及びJ2ローイングセンターが、中国の造船所でOEM建造した艇を販売している。最大7人が乗れる大きさである日本のナックルフォアに比べると、このタイプのボートは一回り小さい。その為、艇の重量が軽めになっている。