Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

Mould20を荒川で試乗:

リギング作業をが終えると、早速Mould.20を担いで荒川に出艇した。丁度、南の強めの風が吹き出し、荒川の水面はチャプチャプしていた。Mould.20の特徴の一つであるラフコン耐航性能を試すにはモッテコイだ。
漕ぎ出すと最初に気になったのが、ストレッチャーの剛性不足。Mould.20の船底は1X艇にしては結構深く、ボード角を43度程度に設定するとボードの上っ面の方に横棒が来るため、ボードを強く押すとボードが撓んでしまう感触がある。これは拙いので来週以降、少し時間を掛けてストレッチャーを改良してみようと思う。(ストレッチャー改良案は下図の通り)

今回、Mould.20を試乗した感触を纏めると以下の通り。

  1. ラフコンに強い:今日の荒川はチャプチャプした水面ではあったが、艇内に水しぶきが入ってくることは全く無かった。リガーの取り付け位置が高いためか、リガーが波頭に当たる問題も殆ど無かった。ラフコンの中を、波を気にせずスイスイ進むのも、また、別の面白さがある。
  2. 横風:Sykes社HPのMould.20の紹介文には、船首船尾が浅いので横風を受けたときに方向を安定させるが難しいと書いてある。今日は結構強い横風の中で漕いだが、さほど気にならなかった。元々、おやじは1Xを漕ぐときに針路をキープするために、細かく針路補正しながら漕いでいる。従い、Mould.20に乗っても、いつも通りに漕げば良いだけのこと。むしろMould.20はサッと針路を変更出来るので扱いやすい。特に折り返し時の180度方向転換の軽さには驚いた。スカッと一気に回頭することが出来た。ポンドでの12km漕時には折り返し時間が短縮出来そうだ。
  3. バランス安定性:船底の断面形状がSemi Circular(円弧型)でありバランス安定性に難があるかと思っていたが、おやじの細長いMould.19より横安定性は良いような気がした。長めのFinが効いているのかもしれない。
  4. 加速が素晴らしい:濡れ面積が小さいため、推進抵抗がかなり小さい様だ。ミドルからフィニッシュに掛けてスッと艇が加速する。特に順風時にはピュンピュンと、軽く艇が走る。(おやじのMould.19は艇が長すぎて(8.3m)濡れ面積が大きいためか、順風時も走りがドヨーンとしている感あり)

Mould.20は推進抵抗の最小化を狙い、下の写真の様に特異な船尾形状をしている。SykesのHPにはMould.20について、"Scullers seem to either love or hate this boat."と書かれている。ボート愛好家は保守的な考え方をする者が多いので、見た目に変な形の船型は好まれないのかも知れない。おやじも、乗ってみるまでは「ちょっと船尾の形が変かな」と思っていたが、今日、Mould.20に乗ってみたら、その走り・性能に大満足した。やっぱりボートは機能・性能優先である。勿論、漕手の技量レベルに応じた最適な船型というモノがあるので、この船型は初級者向きではないと思う。おやじの場合は、"Love this boat"だ。

今度は、平日の夜間乗艇でレースペースの短漕を漕いで感触を確かめる予定。
以上