これは言うまでもないが、エイトのレーススピードが速いからである。シングルスカルやペアの様な小艇はフォワード中の減速が大きくキャッチ時の艇速が遅いこともあり、水中を押す時間が長いので「先ずエントリーして、ブレードが水を掴んだのを感じてから、ジワリと加速するように押す」というイメージとなる。しかし、エイトのレースペースでは、小艇より艇速が圧倒的に速いので、「ブレードが水を掴んだのを感じてからジワリと加速する様に」等と悠長に考えていると気がついたらキャッチハーフが終わっていてストロークの半分も残っておらず、確り水を押せないままフィニッシュということになってしまう。これがエイトの様な高速艇の難しさである。
これを解決するために必要なのが、以下の技術であり、その中の一つとしてストロークポイントをキャッチ直後に持って来る様にイメージしようとするものがある。尚、実際にはForceカーブのピークは膝の角度が90度付近で発生するのでキャッチ直後ではない。要は、ストロークの前半に持って来ようとクルー全員がイメージするところが重要なのである。