Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

先ず最初にボートを水平に置こう:

昔はボート専用角度計が市販されていなかったので、カバー角を計測するにはボートを水平に置く必要があった。後述するが、ボート専用角度計(Empacher製等、この製作誤差、計測精度が問題)等無くても、ボートが水平に置いてしまえば、ピン(クラッチ軸)を前後傾0度、外傾0度に設定することは容易だ。水準器1個あればピンを垂直(0度/0度)にするのは目視チェックで十分だ。人間は地球の重力(鉛直方向)を受けて立っているので、努力などせずとも、水平や垂直については、精度良く見極めることができる。おやじが思うに人間は肉眼で誤差0.2〜0.3度以内で鉛直を見極めることが出来る。この点に関しては人の目はボート専用角度計の計測精度より精度が上だと考える。

さて、前段は上記の通り。ボートを水平に置くにはガンネルを基準点とする。ボートはガンネルトップが水平になる様に設計されている。(一部1X艇についてはガンネルが水平でないタイプがある。この場合は船底のキールを基準にする以外にない)尚、エイト等のチームボートでシートデッキ面に角度計を乗せて基準点を取っている「愚か者」を良く目にする。シートデッキはガンネルと異なりかなり製作精度が悪く、また、長く使っている内に変形してガタガタになっている。従い、水平を取るときにはガンネル間に角材などを渡して、この上で基準点を取るようにすべきだ。
以下、エイトを例に取って艇を水平に置く要領を述べる。

  1. まず、地面が水平な場所を確保する。水平な地面が無い場合でも、少々手間がかかるが何とか設定可能。
  2. ボートを上記の場所に持ち込み、馬の上に載せる。エイトが自重で変形しないように出来るだけ重量がバランスよく分散する様に、2番と7番シートの下に馬を置く。(艇に優しい置き方)
  3. L型ハイト計などの長めの角材をガンネル間に渡し、その上に水準器を載せ、ボートを横方向(左右方向)に水平にする。(計測場所はボートの基準点として4番、5番辺りのボートの中央で行う)
  4. 次に水準器をガンネルの上に置き、ボートの長さ方向に水平になっているかどうかを確認する。もし水平でない場合は、下がっている方の馬の上に毛布を必要な厚さ分を載せて再度水平かどうかをチェックする。これを何度か繰り返して長さ方向にも水平となる様にする。尚、地面が傾斜している場所では高さの異なる馬を2個用意し、低いほうに高い馬、地面が高いほうに低い馬を使い、毛布の調整量が少なくて済む様に工夫すると良い。
  5. 再度横方向及び長さ方向の水平度をチェックする。ボートの前後左右から見通して水平に置かれていると認知できればそれで十分だ。