Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

レースでの脚蹴り活用例と、間違った使い方:

ハイレベルのエイトレースに於ける勝負は、クルーのシンクロナイゼーション度合いの勝負と言っても良い。従って、レース途中の戦術に対して、あれ?どうして?等と1人でも混乱したらそのクルーは100%の力を発揮することが出来ない。レースの戦術は出艇前のミーティングで全員に確実に伝えておかねばならない。この意味で普段の練習からレース本番のお決まりのパターンを造っておく必要がある。東大4連覇のクルーではコンスタントのリズムを安定させる意味で300m、その後500m, 1000m, 1500mのクォーター節目毎に水中強度確認及びリズム安定の為に脚蹴り3本を入れていた。これ以外の臨時の戦術は半枚上げや1枚上げといったレートコントロールで行い、余程のことが無い限り、Extraの脚蹴りは入れなかった。実際、上記の脚蹴り合計は3本*4回=12本であり、これだけでも相当な脚へのダメージ(乳酸負債)がある。(上記の4連覇時の脚蹴り10本は特例)低レベルのレースを見ていると、未熟なクルーが無闇やたらと脚蹴りを乱発するのを見かけるが、何回も脚蹴りを入れるのは愚の骨頂である。コンスタントを確り漕いでいれば脚蹴りは何度も出来るものではない。仮にレース中盤で脚蹴りを何度も入れたとしたら、そのクルーは途中で失速してしまうであろう。そうでなく、何本でも脚蹴り出来るクルーは、コンスタントの意味を間違って捉え、コンスタントは楽に漕ぎ、脚蹴りコールが入った時だけ何となく強く漕ぐという不真面目、若しくは、ボート競技を間違ったイメージで解釈したクルーであろう。こういう未熟なクルーはハイレベルのレースでは勝てない。