Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

ラフコンの荒川でレク艇耐航性能テスト!

oyajisculler2009-03-15

昨日の午後は、強烈な寒冷前線通過後で、生憎の天気だったが、予定通りD社レク艇による荒川試乗を実施した。当初クルー5名の他2名の加勢者が来る予定だったが、風邪で来れないとのこと。(風邪が流行っているのかな?)結局、クルー5名と伴走モーターのモーターマン兼カメラマン1名、合計6名のminimum人員で実施。

前回までの試漕結果を踏まえ改善した点:

1)シート高を1cmUp:
これまで2回のD社及びK社艇試漕により、D社艇のシート高(水面からの高さ)が9cm程度と、少し低めだった。K社は約10cm。そこで条件を合わせる意味もあり、下図の要領で、座面とシャシーの間に1cmのスペーサーを挟んでシート高さを1cm高くした。

2)Flex Foot高さアジャスト:
前回までの試乗でHeel Depthを16cm程度にしようとするとFlex Footをかなり低くせねばならなかった。本来、16cm程度のDepthであれば、1から6まであるFlex foot穴の4番辺りを使いたいところ。そこでD社に頼んでFlex foot取り付け位置を15mm程下げて貰った。
3)耐航性改善型の実験用試作リガーを取り付け:
現在取りつけられているリガーは、規格艇と同じセンターステーがダブルパイプの通常型のリガー(下の写真)このタイプのリガーは剛性も確りしており良いのだが、ラフコン時に下側のパイプが波頭に当りスプラッシュが跳ね上がり、飛沫が艇内に浸水する問題がある。レク艇は琵琶湖周航や遠漕時に時として発生するラフコンでも安全に漕げることが要件になっているのでこのままでは少々問題がある。(戸田コースの様にラフコンが殆ど発生しない水域なら問題ないが。。。)

そこでレク艇に採用するリガーは、少々のラフコンでも問題となる様な飛沫が飛ばぬ構造とする必要がある。おやじの考えでは英国のボートで良く採用されているガルウィング型のリガーが良いと思っている。(下の写真)

D社にもガルウィング型リガーの説明はしたが、今回、実験用ということでダブルパイプの下側パイプを外し、上側のパイプを太くしたリガーを試作してくれた。実際に漕いで確認してみようということで、#Sと#3シートにこれを取り付けた。(下の写真:基部溶接部に上下荷重の曲げ応力が集中的にかかるので耐久性に問題がありそうだが、先ずはテストしてみた)

先ずは艇を担いで荒川土手超え:

本艇は80kgと、シェルフォア(51kg)に比べると重い。今回のクルーはおやじを除き4名が180cm以上あるので、おやじはCOXではないが、オールとラダーを担いで川へ、他の背の高い者が船体を担いで土手超え。4人共、本艇を担ぐのは初めての者ばかりだったが、意外なコメントを頂いた。即ち、「エイトを担ぐより楽だ」というコメント。確かに重量絶対値はエイトは97から98?程度あり本艇より重たいが8人で担ぐので一人当たりの負担はエイトの方がずっと軽い筈。レク艇の方が短くで担ぎやすいということか。。。。

レク艇で岸蹴り:

今回はは荒川の干潮時刻と重なり、川底が干上がった状態から艇を水に浮かべた。レク艇はナックル艇と同じく船尾から水に進水させる。浅瀬になった状態からの進水は割と簡単。ラダーを船尾に取り付け、スカルオールを全てのシートに張って乗艇。レク艇はバックステーが無いので乗り込みが楽々。それとシェル艇の様なフィンが無いので浅い水深でも問題なく乗り込むことが出来る。これがとっても便利。

レク艇で秋ケ瀬往復:

岸を蹴ると、小雨だった雨が本降りになってきた。分漕だと休んでいる者が体が冷えてしまうので、両舷でソロソロと漕ぎだした。

今回は遠漕のシミュレーションであり、秋ケ瀬に行って帰ってくることが目的。頑張って強く推す必要は無い。気分的に楽な乗艇。暫くW.Upした後、両舷でフィニッシュワークの技術練習。シェル艇でやると難易度が高いこの技術練習も安定性の良いレク艇なら容易に出来た。正に初級者の導入トレーニングには持ってこいの艇だ。

笹目橋を越えた辺りでW.Up終了。その後は軽めのライトパドルで秋ケ瀬まで淡々と漕ぎあがった。逆風が結構強かったが、艇が安定しているので特段支障なかった。
秋ケ瀬に到着し、COXと3番を交代させ、直ぐに復路出発。(風が強く寒いので長く休むと体が冷えてしまうので即出発した)下り始めると急に風が強く吹き始めた。Good Timing。順風に押される様にして漕ぎ進むと、どうやら潮が変わって上げ潮になった模様。風と川の流れが逆行(喧嘩)して風浪が発達し始めた。

大曲を過ぎて水路が狭いところを通ると、白波がチラホラ飛んで、波高が30cm程度まで上がってきた。まあ順風で波と同じ方向に進むので波が少々高くなってもあまり支障なし。それと艇のバランス安定性が良いのでラフコンを楽しむ事ができた。
笹目橋を過ぎて広い水域に出ると波が収まるかと思ったが、風がさらに強くなり波はドンドン大きくなってきた。

岸蹴り場手前500m付近は水路が狭いため、波が更に高くなり、最大波高は40cmぐらいあった。このラフコンの中だと、冒頭紹介したリガー形状の差による耐航性能の差異をよく確認することが出来た。即ち、バウペアのダブルパイプリガーは波頭に当って飛沫が舞いあがり、艇内に浸水。これに対して整調ペアの実験用リガー(シングルパイプ)は波に当たることは無かった。また、バウペアの舳先の方は大きな波に舳先が突っ込み、カンバスや波除がないので舳先から水がドバドバと入ってきた模様。下の写真の通りかなりの大波。

やはり、船首部にはカンバスデッキを張り更にバウシートの後ろにはブレークウォーター(波除)が必要。勿論、船尾にもカンバスデッキを張る必要がある。

下の写真は揚艇後にバウシートのストレッチャースペースに溜まった水をベイラーで掬いだしているところ。


折角の荒川出艇であり、出来ればラフコンの中で耐航性の確認も実施したいと考えていたが、今回はこの願いが神様に通じた模様。素晴らしいラフコンの中、有意義な耐航性能確認を行うことが出来た。
以上