Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

午前:エイト乗艇

午前はLBRCエイトの乗艇練習。今日はCOXも含めて、来週本番のフルメンバーが揃った。出艇前に瀬田川の2マイルコース詳細図を見ながら、主なカーブ地点を確認。一気に大きく曲げるところが3か所程あるが、一番の勝負どころは唐橋手前の大きなカーブになる。ここはスタートして500mくらいのところで、艇速も出ているので曲がりにくい。今日は荒川の2マイルを想定した12分漕を2セット実施。途中にカーブワークを練習するため、大曲を2回のカーブワークで曲げる練習をすることにした。
艇を浮かべるために川に足を入れると、水温が低いのか、少しヒンヤリと冷たかった。梅雨で雨水の影響だろうか?今日の出艇時はウェイクにも遭わずフラットな水面で気分良くW.Upできた。ただゴミや流木が沢山浮いており、COXはヒヤヒヤしながらの操舵だった様だ。流木が溜まりやすいのは笹目橋の直ぐ上にある彩湖水門からの合流地点。彩湖側から、どす黒く臭い水が流れてきて、荒川の本流と合流するのだが、白ナイルと黒ナイルの合流のような感じで流れに境目が出来てここにゴミが溜まる構図になっている。その溜まったゴミは黒い汚い水に押し出され、対岸にあるプレジャーボートの係留施設に絡みついてゆく。
合流地点を超えて上ると、川の水は一気に奇麗になり、ブレードが透けて見えてくるほど。雨水で少々白っぽく濁っているが岸辺の緑を映した水面はうっすら緑色をしている。漕いでいて気持ちが良い。
さて、12分漕1発目は上に向けてやや順風の中で実施。コンスタントSR30を目標として漕いだが、順風に押されてまずまずの艇速だった。水面もフラットだったし、幅広フラットボットム型の安定性の良い艇を使っているのでブレードワークの改善に集中することが出来た。以前のログにも書いたが、マスターズチームで使う船型は安定性重視の船型が良いと思う。
2セット目は2マイルレース本番と同じSR32を狙って漕いだ。下に向けて漕いだ訳だが、弱いが逆風の中で漕いだので、SR32がキープできず31.5程度だった。でも先週に比べればレンジもあまり切れずに漕げた様な気がする。バランスも安定していたし、クルーとして本番でも力を出し切れる自信がついた。

荒川水循環センターから流れてくるどす黒い水;

さて、前述の笹目橋上流の水門から流れてくる黒い汚い水、何とかならないだろうか?実はこの水、彩湖の隣にある荒川水循環センターという汚水処理場から流れてくるものだ。25年以上前、おやじが学生だった頃はもっとひどい状態で夏場にここを通過する時は呼吸を止めたい程臭かった。その当時に比べれば汚水処理の能力は改善されている様だが、荒川本流の水が奇麗になった今では、水質のコントラストや臭いの発生源が浮き彫りになって、どうにも容認できない状況になっている。環境庁に訴えてやろうか。。。これさえ無ければ荒川の水は、水遊びで泳いでも良いくらいに案外奇麗なのだが。。。

午後は1Xで秋が瀬往復;

昼飯(カレーライス)をタップリ食べ、2時間ほど休んだの後、1Xを担いで荒川へ。ここ2週続けて1Xで荒川乗艇している。昨年末購入したばかりの新艇Goten号に傷を付けたくないので、岸けり・揚艇(水切り)について、以下の要領で慎重に荒川に出している。

  1. ブレードネック部を紐で縛り、陸送途中でスカルオールがバラけぬ様にする。
  2. 艇を右肩の上に載せ、右手でリガーを持つ。もう左手でスカルオールを持つ。この際にハンドルを前方にして持つ。
  3. 横断歩道では、周囲に注意しながら左手で持ったオールのグリップエンドで信号ボタンを押す。(周囲に横断する人がいれば、ボタンを押してもらう)
  4. 階段を上る際は、上流を向き、艇を階段と並行にする。(慣れれば斜めにした方が上りやすい)
  5. 土手を下ったら岸けり場の石段手前にある草地に一旦、艇を下ろす。(1X艇は軽いので草地に下しても船底に傷がつく事は無い。)
  6. オールをクラッチに取り付け、直ぐに漕ぎだせる状態にてから艇を両手に抱えて(腰高の位置で)石段を下り、水面に艇を浮かべる。浮かべたら直ぐに岸を蹴って沖合に出る。(水際でモタモタしているとウェイクボードの曳き波を食らう可能性がある)
  7. 漕ぎ終えたら、下流から上に向けて艇を岸蹴り場に着ける。
  8. 艇から降り、オールを艇内に引き込み、艇を持ち上げられる状態にする。この状態で両手で艇を抱えて(腰高の位置で)草地まで運び、艇を草地に下す。
  9. 次にオールをクラッチから外し、オールを運ぶ準備としてネック部を紐で縛る。艇を左肩に担ぎ左手でリガーを持つ。オールはハンドルを前にして右手で持つ。(復路は往路とサイドチェンジして持つ)土手の会談を上る時は、土手を下りた時に信号ボタンが押せる様に上流を向いて上る。

細かい点については、Head of the ARA HPの下記サイトに1Xの荒川出艇要領に纏めてあるので参照されたい。
http://partezrowing.com/ARA/2007hoa/Arakawa1x.pdf
さて、1X乗艇の方は、社会人選手権が2週間後なので、スプリントトレーニングの為に往路は250mのセットメニューとした。5セットを終えた処で伴走モーター付きのフォア艇に追い越された。引き波を食らう状態になったので、スプリントトレーニングを中断し、後はLSDとした。
丁度、南風と川の流れが喧嘩して波が出始めてきたので、ラフコンを楽しむ様なイメージでユッタリと漕いだ。川では珍しいことだが、風浪が発達して波長8m程度の小さなウネリになっていた。順風なので進行方向とウネリが同じ方向になり間欠的に波乗り状態で漕ぐ形となった。面白かったのは艇の中央が波頂に乗り舳先と船尾が浮く時は艇速がスイスイと上がり、逆に艇の中央が波と波の間の窪みに嵌ると低速がグッと落ちる事が分かった。
復路は逆風が吹くラフコンの中をユッタリ漕いだ。逆風では波を次々と超えて行くので前術の波乗り状態にはならないが、確りとバランスをキープし、ブレードで水面を擦らない様に心がけて漕いだ。今日はバランスが確り取れて、ラフコンを楽しむことが出来た。艇の形状がラフコンに強いことも恩恵にあずかっている。今日の1X乗艇はEnjoy Rowingに徹して楽しめた。

荒川の航路と航行ルール;

最近、おやじの啓蒙が効を奏しているかどうかは分からぬが、荒川に出艇するクルーが増えつつある様だ。荒川に出艇するクルーが増えるのは良いことだが、クルーが増えると問題となるのが衝突事故の発生。特に川の流れが曲がっているカーブ付近での航行が危ない。皆が右側航行を順守することが前提になるが、初級者クルーや舵手無し艇は漕ぐ事ばかりに気を取られて往々にして逆行しやすい。例えば、大曲を下るときは、右側航行する上で、本来アウトカーブを通らねばならないところをインカーブに入ってショートカットしようとする「おバカなクルー」を時折見かける。正に自殺行為であるが、他に上ってくるクルーはいないだろうと勝手に思い込んでいる様だ。この辺りは各チームの指導者は右側航行を徹底する様に指導すべきだ。川で並べている訳ではないので、ショートカットする意味は全くない。各チームの指導者は荒川の航行ルールを良く理解してから荒川に出す必要がある。Head of the ARA HPの下記サイトに荒川航路図・航行ルールを記載しているので参照されたい。
http://partezrowing.com/ARA/2007hoa/ArakawaRule.pdf

レクレーション艇開発に関する打ち合わせ;

今週24日(火)の全日本マスターズレガッタ事務局の慰労会があった。マスターズレガッタは、当初FISAマスターズ同様にシェル艇だけのレースとする予定だったが、多くのマスターズ漕手の皆さんに参加して貰うことを狙いとしてナックルのレースを実施した。その結果、ナックルだけに参加するというクルーが大勢いることが分かった。これを見た日ボ理事の皆さんが、全日本マスターズにナックルレースを入れて良かったとの感想。おやじ自身もそう思った。
話が進み、欧州には少々のラフコンでも問題なく漕げる様な耐航性の強い艇があるが、日本でも琵琶湖周航に使えるようなボートを開発して欲しいという話題が出た。
日本のナックルは元々は国体や高校総体の競技に使っていた艇種だが、結構ラフコンに強い。しかしながら、生まれが競技用規格艇なので、所謂レクレーションボートとしての改善対策は積極的には取られていなかった経緯がある。ナックルは現在、国体や高校総体の正式競技種目ではなくなり、規格艇としての扱いが撤廃された。それでも市民レガッタ等で根強い人気があり、細々ではあるが国内のメーカー(D社やK社)が中国でOEM生産された艇を売っている。おやじも昨年の三菱レガッタで最新型のナックル艇を漕いだ。従来のカーボンナックル艇(105kg?)より20kg軽く85kgという事を体感した。船型は昔のままだが最新のカーボン・ケブラーの強度の強い構造になっているので、シェルフォアに近い走りをするので、昔のナックルとは別の艇種と言った感あり。

この最新の軽量ナックル艇をベースとし、ラフコンでも漕げる様な対策(乾舷を高くしたり、シートデッキ下の独立水密区画化等)を打てば琵琶湖周航時にラフ紺に遭遇しても遭難せずに安全に最寄の岸に避難できるようなモノにできると思う。また、細かい点についても改善対策を施すことで、誰でもすぐに漕げるようなレクレーション向きのボートに出来るとも思う。
という事で、自称ボートの玄人であるおやじは、レクレーションボート開発事務局の世話人として活動し始めることとなった。今日はその1回目の打合せ。初回から様々な意見が出た。例えば中途半端なレクレーション艇ではなく、一気にラフコンの海でも漕げるCoastal Rowing艇を開発してはどうかなど。おやじもCoastalには興味深々だが、難しい事を一足飛びに取り組むのではなく、出来ることから地道に段階を踏んでローイングの世界を広げるべきではないかと思う。ということで我がプロジェクトでは以下のような課題を満足しうる艇を開発する方向で進めたいと思う。

  1. 従来からボートを漕ぐ水域ではあるが、湖や河口付近などで時としてラフコンになり易い水域。琵琶湖や荒川下流の河口付近などで安全に使える。
  2. 多少のチャプチャプした水面であれば、全く問題なく安全に漕げる耐航性能を有すること。(例えば白波チラホラ程度の水面)
  3. 前述の水域で乗艇中に突然ラフコンになったときに、艇内に浸水しても最寄の岸まで自力で漕ぎ続けることが出来る浮力を確保すること。
  4. 素人でも指導者の助けを借りながら簡単にローイングを楽しむことが出来る、即ち、簡単に漕げる艇であること。
  5. 漕いで楽しさ、爽快感を味わえる艇であること。

以上