Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

京大戦OB2000mレース:HCP差で辛勝!

oyajisculler2007-09-23

今日は京大戦本番。昨日の猛暑から打って変わって今日はどんよりとした曇天で肌寒い様な天気。しかし、ボートを漕ぐには涼しいくらいが丁度良い。
8月下旬からこの2000mレースに向けて毎週乗艇練習をして準備してきた。今年は猛暑続きだったので、東商戦の時のような周到な準備は出来なかったが対戦相手も同じ条件。濃青会は未だ大学を卒業していない平均年齢23歳の若手クルーと、平均47歳(HCP:16秒)の中年クルーの2杯。こちらは平均年齢46歳(HCP:14.4秒)の中年クルー。濃青会若手クルーには今年のインカレエイトに乗っていた者もいるという事なので、ガチンコ勝負では勝てそうにない。何とか年齢HCP14秒、即ち、3艇身以内に収めてHCP修正後のネットタイムで勝とうと考えて岸を蹴った。

W.UPはまずまずの出来:

今日は東の風は3m程吹いており、スタートから1500mまでは水面が波立って結構チャプチャプしていた。W.UPでは水面をなるべく叩かない様に丁寧に漕ぐことを確認。週に1回しか乗艇練習していないクルーなので、少し多めにパドルの短漕練習を行ってレースに備えた。ややラフコンの中ではあるが、まずまずの漕ぎが出来ることを確認。下の写真はW.UP中のLBRCエイト。

OB2000mレースの経過:

W.UPをしているとあっという間にスタート時刻になった。発艇台につけようとすると、まだウォーターマンが来ていなかった。ウォーターマンの配置を急がせ、3クルーが揃い、線審の白旗が上がったところでスターターの櫓を見た。すると、スタート審判がまだ準備中。既に発艇時刻を過ぎており、審判が準備出来次第スタートする筈だが、漸くマイクを取った女性審判員が何を勘違いしたか「ファイブミニッツ」のコール。何を間抜けな事を言っているか、審判に向かって「もう発艇時刻を過ぎている。ファイブじゃなくてツーミニッツだ!」と要求。納得したのか審判が「ツーミニッツ」と言い直してくれた。若干予定より遅れたがAttention Go!。

練習どおりのスタートで良くも悪くも無かったが、濃青会若手のAクルーがあっと言う間に視界から消えた。濃青会中年のBクルーもスタートを頑張っているようで100m付近までは我々の横に並んでいた。200m過ぎでこちらが徐々に出始めたが、2レーンの濃青会Bがコースブイを越えてドンドンこちらに迫ってくる。審判艇も気付いて注意してくれたが、チャンバラしそうなので、おやじもBクルーに向かって「離れろ!自レーンに戻れ!」と怒鳴った。

上の写真は500m通過前のLBRCと濃青会Bクルー。

上の写真は600m付近のLBRCと濃青会Aクルー。この時点でLBRCが濃青会Aに対して2艇身以上のリードを許してしまった。流石先月までインカレに出ていたクルーだ。スタートのトップスピードが違う。
この後は、濃青会A-LBRC-濃青会Bの順で各々水が空いた間延びしたレース展開で推移。我々も逆風の中でSR34をキープして徐々に差を詰めようと試みた。しかし、2Q、3Qも少しずつ離されてラストQに突入。定番のラストスパートに向けたレートアップで徐々に艇差を詰めようと粘る。コックスに艇差を確認すると2.5艇身とのこと。このまま差を広げさせなければHCPタイム以内で我々の勝ちと思いながらゴールに入った。

濃青会Aのゴール音が聞こえなかったのでタイム差がはっきり分からなかったが、コックスが言うには3艇身は無かったという。従い、何とか14秒のHCP以内に収めたと思い勝ったと思った。3着の濃青会Bがゴールし、審判艇の白旗が上がったところで直ぐに折り返し、観覧席の応援団に向けてWinning Rowを行った。(Winning Rowには賞味期限があるので、手早く折り返すことが肝要だ)今大会のレース結果はゴール後直ちに放送されたので、Winning Rowの途中で優勝したことを確認。但し正式タイムでの2位との差は僅か2秒の辛勝であった。観覧席前で艇を止め、母校のOB連中に向けて諸手を上げて優勝をアピール。応援するOB連中と勝利の喜びを共感できた。大会運営者を気にせず、好き勝手にWinning Row出来ちゃうところが対校戦レースの良いところだ。(勝った時は、ここぞとばかりに思い切り好き勝手にやるべし。)余談だが、最近の母校現役クルーはWinning Rowの要領が悪い。直ぐに来ないもんだから賞味期限切れとなり、OBも白けてしまう場面が多い。Winning Rowは選手本人と共にOBが勝利の嬉しさを分かち合える非常に嬉しい場面なので、タイムリーにやって勝利の喜びを堪能して欲しい。

上の表は本レース結果の詳細。濃青会AとLBRCのラップタイムを見比べるとゴール時の艇差12秒の内、9秒近くを1Qで付けられた様だ。2Q、3Qと徐々に離されたが、4Qはこちらがスパートで頑張ったので、僅か0.5秒だが我々の方が速かった。

上の写真はレース後のLBRCクルー記念写真。今回のレースに向けた準備期間は、酷暑の時期だったこともあり、十分な練習が出来ず不完全燃焼気味だった。12月の学内2000mレースでは11月、12月の良い時期に練習できるので、確り準備してレースで完全燃焼したい。

京大戦現役レース結果:

  1. 女子4X+:互いに2年生以下でクルーを組めないこともあり、東大は3年主体のクルー、京大はCOXが男子(4年)という変則的なクルー編成となった。結果は接戦の中、京大の勝利。3年主体なのに負けてしまった東大は、冬場に確り漕ぎこんで実力アップして欲しい。(東大・京大対校戦は、元々第一高等学校と第三高等学校の対校戦から始まった経緯もあり、対校レースは2年生以下のジュニア選手により編成されたクルーによるレースとなっている)
  2. 対校フォア:このレースは2年生以下のジュニアメンバーで編成された正式な対校レース。戦前はエルゴに勝る京大が優位という土手評だったが、東大がホームの地の利を生かして終始頭を抑えるレースを展開。土手評を覆して勝利した。見た感じでは長く水を押し続けるという基本において東大の方が漕ぎが確りしていた。
  3. 東大130周年記念レース:東大・京大対校戦と併催で、東大130周年記念のエイトレースが実施された。このレースは、普段は実施されない3年生以上で編成された東大・京大の対校クルーの他、東大と姉妹校関係?にある韓国ソウル大学(SNU)と、過去東大がカナダ遠征でお世話になったブリティッシュコロンビア大学(UBC)を招待しての4杯レース。結果は圧倒的な力を見せたUBCが大きく水を空けて優勝。2位には今年インカレ準優勝した京大が入った。東大は1Qでリードしたものの1000m付近で京大に抜かれた後は全く良いとこなしで京大に水を明けられて3位。インカレ時の東大・京大のタイム差は5〜6秒だったが、今回のレースで10秒差を付けられており、来年に向けて追いつくつもりだったのが逆に差を広げられてしまった形。キャッチでブレードに体重を載せ、フィニッシュまでハンドルにぶら下がり続けるという基本技術において両者に大きな差があったようだった。4位はSNU。
  4. 対校エイト:これまで4連敗中の京大戦対校エイト。東大が強かった時代には考えられない4連敗。この4年間見てきたが、東大Jrの素材が悪いということではなく、東商戦や京大戦に向けてのJrクルーを長期的に育成するという事が全く出来ていなかったことが原因だと分析。クルー編成して1ヶ月という短期間で準備不足のままレースに臨んだ結果が、当然の結果として4連敗に繋がったと考える。5連敗だけは絶対に阻止しなければならないという漕艇部とOBの強い思いを一身に受けてJrコーチになったS藤先輩。余談だが、昨年秋のS藤さんのコーチ就任時には、京大戦コーチ経験のある淡青会Y野事務局長とおやじの2人でS藤さんと私的懇談会を設け、Jr育成に関するコーチングの要点を伝授した。とりわけ京大戦に向けた必勝法を延々と語った。(詳細は割愛するが、Jrは未熟なので、クルーがある程度完成するには最低2ヶ月はかかると言う点を力説した)さて、余談が長くなったが、今回の京大戦クルーは9月下旬の京大戦に向けて7月からクルー編成し、準備してきた。狙いは長いレンジで長く水を押し続けるという基本。大変良い狙いである。大柄な漕手を整調にすえて取組んだ結果、先のオッ盾では順位決定に進出し、学生1位を取り、京大戦に臨んできた。対する京大クルーはエルゴ記録が東大よりかなり上を行っているとのこと。しかし、クルーを組んだのはインカレ後であり、準備期間は1ヶ月に満たない模様。結局、レース結果は1Qで水を空けてリードした東大が終始リードを広げ続け、100m弱の大差を付けて圧勝した。中盤でレートが落ちすぎた感はあるが、狙っていた基本技術である「長いレンジで押し続ける」漕ぎを確りキープして漕いでいた。久々の京大戦勝利と共に、10月の新人戦で久々のメダル獲得に向けて夢が膨らんできた。OBも大喜びの本大会であった。

本大会で感じたこと:

この大会を通じて感じたこと2点について書き止めておこうと思う。

  1. OBレースは練習したクルーが勝つ:今大会の年代別OBレースに於いて、東大は60歳代のレースを除いて、年代別レースに加えて2000mレースも勝利した。どの年代も勝ったクルーは事前に練習したクルーばかりである。これまでブッツケ本番が殆どだった70歳代クルーが今大会は事前に3回練習した結果、圧勝。これに対し、勝てなかった60歳代は練習せずにブッツケ本番で出漕した。ブッツケ本番でレースに臨んでもバタバタの状態で面白い訳がない。60歳代の諸先輩には、是非練習して欲しいと思う。本学は1年を通していつでも練習できる環境が整っている。これから秋口はボートの乗艇には最適なシーズンでもある。
  2. 大学ボートの漕技習得はジュニア時代が肝心:これは改めて言うまでもないが、ジュニア即ち2年目の乗艇練習を如何に確り出来るかで、その後の3年、4年時の漕手としての心技体という力量に差が出てくると思う。今年は東商戦にジュニアエイトのレースが復活したこともあり、本学に久々にジュニアの体制が復活した。東大ボート部の場合、大学からボート競技を始める者が殆どであり2年目にイキナリ3,4年生と一緒にクルーを組むのは体力面及び技術面でレベルが違いすぎて逆効果になると思う。、(例外的に優れた能力を持った選手を除く)やはり、ジュニアの育成はその習熟度合いを見ながらジュニアに合ったペースで急がずジックリと育成すべきだ。今年の東大ジュニアは先にも述べたが、ジュニア専属コーチがつき、ジュニア独自のアプローチで練習してきた事が今回の京大戦勝利に結び付いたと思う。今年のジュニアは春の時点では3年以上の対校選手に対して、及ばない位置にいたが、この京大戦合宿を介して、既に対校選手に追いつき追い越すレベルに達しているという。ジュニア体制は本学ボート部にとっては有効な体制であり、今後も継続すべき育成システムであると思う。

以上