Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

大学ボート新人勧誘:欲しい人材について

oyajisculler2007-03-06

大学受験も終わり、4月には新入生が入ってくる。今から大学ボート部の活動として重要な新人勧誘が佳境となる。さて、母校T大は運動優秀選手の推薦入学の制度はないので、入学時点でT大ボート部に紐付いている者はいない。また、新入生の中に高校でボートをやっていた者自体が少ないので、新人部員の殆どはボート経験の無い者ばかりである。(ボート出身者は多い時で10人に1人ぐらい)
さて、新人勧誘でボート選手として欲しい人材を考えてみた。T大は大学エイトを中心に据えて取組んでおり、エイトを速くするという意味で必要な人材を考えようと思う。『エイトを速く進める為に』と題して昨年纏めた資料の中に、エイトで勝つための全般的なポイントを順不同で列記したものがある。これを念頭に置いて欲しい人材について考えたい。

エイトで勝つためのキーポイント:

(注記)思いつくままに箇条書きしたので、各項目の重み付けがバラバラになっている。

  1. 対校エイトの勝利はクラブの勝利。クラブに所属する全員が対校エイト強化を最優先する。(対校エイトに故障者が発生した場合の代漕など、自ら進んで積極的に対応する)
  2. 出艇中は常に集中力を維持し、無意味な出艇が生じない様に良く管理する。
  3. 乗艇練習を介して、自クルーの限界に挑み、自クルーの力を良く把握しておくこと。そして如何なる状況でも持てる力を100%出し切れるようにする。
  4. クルー一人一人が自分自身の体調維持に努めること。食事や休息はトレーニングの一環。
  5. 最後はリーダーシップと集中力が決め手となる。
  6. 出艇前にメニュー及びその狙いをクルー内に周知し、目的を共有する。
  7. 全ての練習が最終目標とするインカレエイト決勝に繋がる。1本1本のストロークに妥協が無いようにしよう。例えば、休んでいる時も確りバランスをキープしたり、艇を廻すときのサイドローも確り・丁寧に漕ぐ。
  8. シーズン中は、クラブ内の#2エイトと並べたり、強豪クルーに並漕練習を申し込み、クルーの艇速状況をチェックする。
  9. シーズン中の毎出艇のウォームアップは、レースUPと同じ組み立てとした方が、実際のレースで、普段の力を出しやすい。
  10. MAXスピード、コンスタント、ラストスパート、ミドルスパート、エンヂュランス等、バランス良く取組み、弱みをなくすこと。
  11. 秋から冬場が低レートのロング漕を主体的に行う時期。しかしながら、シーズンに入ってもロング漕を継続する必要あり。
  12. 冬場は低レートロング漕を主体にするが、併せてカンフル材のようなイメージでSR30以上の短漕もロング漕の合間に少し織り込む方がロング漕のレベルが向上する。
  13. 体が十分に出来ておらず筋力不十分な選手には、シーズンに入ってもウェイトトレーニングを継続させる必要がある。
  14. 乗艇だけでは心肺機能が十分に向上しないので、冬場や春先の強風で出艇できない時には、積極的にランニング主体の練習を行うことも必要。
  15. レースシーズンにインターバル走などランニングを積極的に取り入れて、心肺系の機能向上に取組む。

(纏め)目的意識を持ち、レベルの高い内容で沢山練習を積んだクルーが最後に勝つ!

新人勧誘で確保したい人材:

15項目のキーポイントを挙げた訳だが、選手らはこれらのポイントを良く認識して、厳しいトレーニングに邁進することになる。その為には、以下のような素養を持った者が必要となると思う。勿論、入学時点で全ての要件を満たす人材など望むべくも無く、高望みしてはいけないが、ボート、特にエイトのクルーを念頭に置いた時にこういう人材が欲しいと言うことを頭において勧誘すべきだと考える。

  1. スポーツの競技経験:競技種目は何でも良いので、中学、高校時代に豊富な競技経験があること。
  2. 真面目さ:体力・精神力の限界まで追い込む練習。また、一つ間違えれば人命に関わる自然相手のスポーツである。
  3. 忍耐力:ボートは繰り返し運動であり、又、クルーとしてユニフォーミティーが要求されるスポーツ。鋭い反射神経は無くても良いが、単調な練習に耐えられる忍耐力を有すること。
  4. 勝利への執着心:これが最終的に大学エイトの推進力となる。
  5. 強靭な体:ボートはMiles make a champion。長時間高負荷の練習を年間を通して行うので、これに耐えられる強靭な体が必要。
  6. 食欲旺盛:沢山食べて、多くのエネルギー・栄養を摂れない者は、厳しい練習が継続できない。

ボートで良く言われる大きな身長というのがあるが、日本人の場合、身長が高い者は案外故障が多かったり、精神的に弱かったりすることが多々ある。勿論、体が大きい方がボートには有利だが、大学ボートのレベルにおいては、身長の大きさではなく、スポーツ経験・心身のタフさ・精神力の優れた者が大成している様である。
新人勧誘の成功を祈る。