Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

Adaptive Rowing艇のリギング作業:

前もってATOMSのO本さんからAdaptive Rowing艇のリギング作業があり、朝から三菱艇庫に行き、リギング作業を実施した。右上の写真がこの艇。今朝桑野造船のトラックが三菱艇庫に搬入した新艇で、1X艇がアトム、2X艇がウランという名前だ。見ると両艇共、アダプティブ用ということで艇の幅が非常に広く、如何にも安定性が良さそうだ。
今日はこの艇の進水式セレモニーを行う為に運び込まれてきたものであり、この艇のリギング作業、即ち、裏方作業がおやじの仕事。
アダプティブと言ってもその障害度合いは多岐に渡り、これがアダプティブの標準値というものは無い。よく写真で見るのは体が固定座席に固定されて漕ぐものであり、腕漕ぎでも支障なく漕げる様なリギングが良いと考えた。一方、その為にはインボードを短くしたり、負荷が大きすぎない様にオールは短めの専用オールが良さそうだ。しかしながら、今回は艇だけを購入して、オールは自前のものが無いということで、三菱艇庫のオールを借りることになった。
他人から借りたオールを勝手にリギング調整することは出来ないので、今回のリギング作業は借りたオールのインボードに合わせて漕ぎやすそうなリギングを設定した。即ち、

  1. 借りたオールの仕様:寸法:Crokerスカルオール3組:①287.5cm/86.0cm, ②287.5cm/86.5cm, ③285cm/84.5cm。長さが短い③は1X用、長さの長めの①、②は2X用とした。
  2. 1X艇:スパン156cm(実オーバーラップ13cm)、ハイトS:16cm/B:18cm、Pin To Heelはガンネル部のマーキングした。
  3. 2X艇:スパン160cm(実オーバーラップ13cm)、ハイトS:16cm/B:18cm、Pin To Heelはガンネル部のマーキングした。

本格的に試乗会が始まる前に、念のためリギングチェックの為に水に浮かべて乗ってみたが、漕ぎやすく、素人でも容易に漕げそうだった。

ゴルフの打ちっ放し:

実は明日、メンバーになっているゴルフコースの競技会があり、今日は1回打ち放しをしておこうとゴルフバックをマイカーに積んで戸田に来た。上記のリギング作業が早めに終わったので戸田のゴルフ練習場で打ちっ放しをした。これで明日は何とかなりそうだ。

午後はT大3年生向けのブレードワーク勉強会:

T大はおやじが4年生の時に全日本エイトで4連覇を達成して以来、全日本エイトの優勝から遠ざかっている。T大クルーの漕ぎを見ても嘗ての美しく強い漕ぎは見ることが出来ず、レースの度に残念な思いが残る。おやじも東京勤務に戻ってから、中年漕手として3年間乗艇練習を重ね、漸く体が動く様になってきた。学生諸君と一緒になってボートを漕げる内に、おやじのローイング理論を実際に艇に乗って体感してもらおうと考え、今日の企画となった。1回では要点全てを伝授できないので、2回に分けることとし、今日はおやじの考える理想的なブレードワークの解説と実際の乗艇を行った。(次回はエイトの乗艇を荒川で行う。)ブレードワークの解説は、世界一流クルーの漕ぎをDVDで確認しながら実施。また、おやじが学生時代のT大エイトの漕ぎや、今年のT大エイトの漕ぎも合わせて見比べてみた。
概ね、理屈を理解してもらったところで舵手つきフォアを使って、実際に乗艇で体感して貰った。今日の乗艇での焦点はフィニッシュ押切り後のブレード離水とフェザーワーク。先ず、おやじが実際に漕いで手本を示した。言葉で言うと

  1. ハンドルが胸の前10cmから15cmの辺りまではブレード一枚キープして、(グーっと)確り押す。
  2. 上記を終えたら、(スッと)上体を脱力してブレードのプレッシャーを緩め、アウトサイドハンドでハンドルをドロップダウンして(ポンと)ブレードを素早く離水する。
  3. 上記のアウトサイドハンドのドロップダウン動作と平行して、ブレードが離水しつつある時にインサイドハンドでブレードを素早く(クルッと)フェザーターンする。(アウトハンドとインハンドは各々役割分担しながら同時へ平行で動かす)
  4. 上記の結果、ブレードは離水する過程で、ブレード上端を支点として、下端が振られる様に動き、ブレード下端が小さじ一杯ほどの水を(ピシュっと)斜め上方に跳ね上がる。

さて、おやじが手本を示し、上記の解説をしてもT大学生はなかなかこれが出来ない。最終的には理解して少し出来る様になったが、その改善途中で観察された奇妙はブレードワークは:

  1. おやじの指導とは逆に、ブレードの下端を支点として上端を後方にパタンと倒すフェザーワーク。→あんたそれではドロップダウン無しでは?
  2. グーンと確り押した後に上体を脱力してポンと離水する、即ち、「グー、ポン」ではなく、脱力出来ずに、ミドル以降、ブレードを浅くしながらダラダラと押し続け、グシャっと水を引っ掻き回すDirty Finish。

それでも最後の方はコツを掴んできたか、何となく様にさってきた。両舷で漕いだ際に10本ほど綺麗にフィニッシュが離水でき、スッと艇が気持ち良く進む瞬間もあった。来週はエイトで荒川に出艇するので、何とか改善して欲しい。

来週のエイトのリギング(予定):

  1. オール:Smoothie(Vortex有り)全長370cm, インボード114cm
  2. リガースプレッド:83cm
  3. ワークハイト:Bowペア16.5cm、ミドルフォア17.0cm、整調ペア17.5cm
  4. ストレッチャー高(Heel depth):15cm
  5. Pin to Heel:ガンネル部にマーキング。PTHの目安=35cm+(漕手身長-180cm)/2

SR18〜20程度の低レートで気持ち良く艇が走ることを期待したい。