今週土曜日にLBRC Aクルーが使用するエイト(POTOMAC号)のリギング変更作業を行う。
リギング変更の数値は11月21日のログに記載した通り。オールについては昨日リギング変更したので、土曜日の作業は艇のリギング変更のみ。LBRCのメンバーは必ずしも全員がリギング調整の玄人ではないので、リギング変更作業を行うための手順を纏める。以下、作業手順の順番で記載する。
各シートのオールピッチを記録:
各シートのオールピッチをリギング記録用紙に記載。各シートの漕手は、自分が使うオールのブレードピッチが何度であるかを把握する。
リガースプレッド(RS)の変更:
現状のRSは84.5cmとなっている筈だが、念のため計りなおす。今回、83.5cmとするので、1cm程度RSを短くする。計測した現状RS値と83.5cmの差分を計算し、この差分をビニルテープでRS伸縮部にマーキングする。この上でRS伸縮部の固定クランプを緩めてRSをマーキングに合わせて、83.5cmに変更する。RSを変更する際、軸の前後傾がズレルので、目視で前傾ゼロ度になる様にしてクランプで固定する。(このVespoli式のRS伸縮部、クランプを締め付けると微妙に前傾角がズレ易い問題がある)
ワークハイトの調整:
ワークハイトを下記の値になる様に、各シートで調整する。
- 整調ペア:17.5cm(Rowing中のピッチング運動の他、COXが設計体重より少し重いのと、整調ペアはBowペアより体重が重いので、船尾が沈み易い事に配慮したもの。)
- ミドルフォア:17.0cm
- Bowペア:16.5cm(整調ペアを高めにするのと、同じ理由で逆にハイトを低めにする)
バックステー取り付け:
RSを短くした分、バックステーの長さを短くしてから、取付ける。取り付け完了したら、伸縮部の固定ナットを締める。
キャッチ角、フィニッシュ角をガンネルにマーキング:
11月19日のログに書いた三角定規を使って、キャッチ角、フィニッシュ角をガンネルにマーキングする。今回はクラブチーム用の50度+30度の三角定規を使う。手順は以下の通り(全シートで実施):
ストレッチャー位置の仮セット:
LBRCの、身長をベースにしたPTH簡易式( PTH=35cm+(身長-180cm)/2 )を使って、各漕手の身長に基づく、PTHを求め、その位置にストレッチャーをセットする。(仮セット)
水上でストレッチャー位置最終調整:
実際に出艇して、先ず上記のストレッチャー仮調整の状態で漕いで見る。身長が低く、レンジが短い漕手については、自然なフィニッシュ体勢を取った時に、所定のフィニッシュ角(今回は30度)が取れる様にストレッチャー位置を調整しなおす。(上記の簡易式で概ね合う筈)そして、所定のキャッチ角が取れる様にキャッチで頑張る。身長が高く、レンジが長い漕手(身長182cm以上の大型漕手)については、フルレンジで漕ぐと50度、30度の角度を軽くオーバーしてしまう。クルーの中でオールの振り各を合わせる必要があるので、大きな選手は、クルーで決めたキャッチ角、フィニッシュ角でレンジを切った時に、最も漕ぎやすい位置になる様にストレッチャー位置を調整しなおす。この乗艇で決めたストレッチャー位置が最終的に当該漕手の最適PTH値ということになる。因みに、キャッチ角、フィニッシュ角が変わるとPTH値が変わってくるので、クラブ毎或いはクルー毎に、キャッチ角、フィニッシュ角の基準を決めた上でPTHを調整することが前提。世界のエリートクラスはキャッチ角55度、フィニッシュ角35度で漕いでいるとの由。
以上