Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

距離(時間)と艇速(タイム)の関係

oyajisculler2004-10-29

以前、おやじがT大のHCをしていた時にエルゴメーターの長距離漕(45分、30分)の記録を2500m漕(今は2000m)のタイムに換算するため、運動継続時間とその平均出力の関係を白べたことがある。文献の出所は忘れてしまったが、自転車エルゴメーターを使って何種類かの継続時間とその平均出力をプロットした記録があった。この記録から、運動継続時間と平均出力の関係が概ね次の式で表せることが分かった。
平均出力∝継続時間^(-1/6)
これをベースにボートの艇速(V)と継続時間の関係はを求めると次の様になる。
漕力=抵抗*速度(V)=(C*1/2ρS*V^2) * V =C*1/2ρS*V^3,
即ち、漕力∝V^3となり、出力と継続時間の関係に入れ込むと、
①艇速(V)∝継続時間^(-1/18), 又は ②500m当たりの平均タイム∝継続時間^(1/18)となる。(継続時間は漕艇距離に置き換えても良い)

エルゴメーター記録換算の仕方:

例えば、20分漕で5707mの記録を持った漕手の2000m漕タイムを①の式を使って、下記要領で換算することが出来る。

  1. V0=5707m/20分=285.35m/分 (Pace0=20分/5707m*500m=1.752分/500m)
  2. V' = V0 * (2000m/5707m)^(-1/18) = 302.47m/分 (Pace'=1.752分/500m*(2000m/5707m)^(1/18)=1.653分/500m)
  3. 2000m漕タイム=2000m/V' = 2000/302.47 =6.612分 = 6分36.7秒 (=1.653分/500m*(2000m/500m)=6.612分=6'36"7)

人によって、短距離系の選手、長距離系の選手がいるが、以前、T大選手の記録でチェックしたが、概ね合っていた。

国内トップスカラーのタイム:

この式はエルゴタイムだけでなく、実際のボートの低速、タイム予測に使うことも出来る。例えば、国内のトップレベスカラーの1X艇での2000Mタイムを7'15"としよう。このスカラーの500m, 1000m, 6000m, HoS(7750m), 12kmの達成可能な記録を②式を使って計算してみよう。(Head of the Setaは8000mと言われているが、これまでの1Xベストタイム31分をベースに2分/500mと仮定して、おやじが勝手に逆算すると、7750mとなる)

  1. 2000m: 7'15"(7.25分)→500m平均ペース=1.8125分(1'48.8")
  2. 500m:1.8125分*(500m/2000m)^(1/18)=1.678分(1'40.7")
  3. 1000m:1.8125分*(1000m/2000m)^(1/18)*(1000m/500m)=3.488分(3'29.3")
  4. 6000m:1.8125分*(6000m/2000m)^(1/18)*(6000/500)=23.124分(23'07.4")
  5. HoS(7750m):1.8125分*(7750m/2000m)^(1/18)*(7750/500)*1.025(途中カーブあり、2.5%悪化とみる)=31.047分(31'03")
  6. 12km(1500mのポンドコース4周)=1.8125分*(12000m/2000m)^(1/18)*(12000/500)+25"(廻すロスTM)*7回=48.053分(48'03")+2'55"=50'58"

おやじのタイムで試算:

おやじのタイムを同じ要領で試算すると以下の様になる。但し、A:達成確実なタイム、B:現状実力(希望的感触)、C:来年度の達成目標

  1. 500m:A=1'56", B=1'53", C=1'50"
  2. 1000m:A=4'01", B=3'55", C=3'49"
  3. 2000m: A=8'21", B=8'08", C=7'55"
  4. 6000m:A=26'38", B=25'57", C=25'15"
  5. HoS(7750m):A=35'46", B=34'51", C=33'55"
  6. 12km(1500mのポンドコース4周)=A=58'17", B=56'51", C=55'25"

今年のHead of the Seta:おやじの1X目標タイム

上記の試算より、現状実力から試算するとおやじのHoS実力タイムは34'51"となる。これは昨年の40代1Xの記録で見ると3位に相当する。果たして結果や如何に?
以上